2016年6月22日水曜日

Spotifyの赤字と今後の展開


 日本でも開始の噂が絶えないSpotifyですが、世界のアクティブユーザーが大台の1億人になったようです。




「 世界1億人が利用する「スポティファイ」 年間200億円の赤字 (Forbes JAPAN) http://ift.tt/28OxU6d 」

 現在も毎月200万人のペースで会員数を伸ばしています。ただ、Spotifyの最大の強みであり弱みでもあることですが、このうち無料ユーザーが7000万人で、広告が非表示になる有料プレミアム会員は3000万人です。

 この無料ユーザー比率の高さが災いして、200億円の赤字というわけです。借入金も増やしているみたいなんで、勢いがある世界有数の会社ではあるんですが、今後が心配ではあります。

 私の音楽定額ビジネスの考えは、このビジネスだけで儲けるのでなく、赤字でもいいから客寄せとして使うのがベストかなと思っています。音楽に携わる人にとっては客寄せの一つとして使われることは不快であるかもしれませんが。

 それをもっとも体現しているのが、アマゾンのアマゾンプライムミュージックです。プライム会員数だと、実質月額300円ちょっとで映画も音楽も聴き放題です。アマゾンとしては、習慣としてアマゾンのネット通販を使ってもらえる手段として映画や音楽を格安で提供している形です。おそらく、映画や音楽を単体でみたら赤字なんでしょうけど、ネット通販の依存度を上げれるならペイするのでしょう。

 アップルもgoogleも同じように音楽の定額サービスを提供しています。アマゾンほど露骨ではないんですが、自社のサービスを使ってもらうきっかけになるんであれば、音楽定額サービスはある程度赤字でも許容するというスタイルなように感じます。

 翻って、Spotifyを考えると、音楽定額サービスがコアな事業であり、これを客寄せとして位置づけるのは難しいと思います。すでに起こっているかもしれませんが、採算度外視でアマゾン、アップル、googleと本格的に価格競争をすればいくら無料でユーザーを増やしているとはいえ、損失の拡大により事業が成り立たないような気がします。

 私は、Spotifyの生きる道は利用者の多さを武器にどこか大きなところに買収されることかなと思います。例えば、マイクロソフトやソニーのように音楽定額に出遅れているが本業とシナジーがでるようなところです。

 ソニーなんかは、既にプレイステーションミュージックは実質中身はSpotifyなんで、このまま一体化してしまえばいいのにと思います。以前私はソニーのミュージックUnlimitedを使っていて急にサービスを終了された苦い経験があります。単独の事業としては難しいかったのでしょう。今は絶好調といえるPS4の客寄せとしてSpotifyはなかなか良いと思います。


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